10/11 鷹ノ巣谷

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
鷹ノ巣谷遡行計画書 ver.1.0 作成者 川名

■日程
10/11(土)
*10/11が雨天で10/12が晴れの予報の場合、10/12に延期

■山域 奥多摩 日原川水系

■在京責任者 遠藤

■在京本部設置要請日時
10/11 21:00

■捜索要請日時
10/12 9:00

■メンバー
CL川名 SL土松・丸山

■交通
行き
立川駅7:05ー7:40青海駅7:44ー8:21奥多摩駅8:35ー奥21東日原行 \460ー9:02東日原
帰り
東日原13:30/14:50/16:17/17:22/18:55ー0:27 \460ー奥多摩駅14:09/15:26/16:57/18:05/19:26/20:02

■行程
東日原バス停ー0:15ー巳ノ戸橋ー2:20ー大滝ー2:00ー奥の二俣ー1:00ー稲村岩尾根登山道ー1:45ー東日原バス停
水の戸沢に入り、時間と体力があれば鷹ノ巣山直下に詰める予定。時間がなければ1562西のコルに詰める。

■エスケープルート
基本的には左岸の稲村岩尾根に上がる。大滝からはそのまま進み、それ以前は引き返すかそのまま進む。

■備考
日の出: 東京10/11 5:44
日の入: 東京10/11 17:12
もえぎの湯 \780
過去の記録


鷹ノ巣谷遡行記録 文責:川名(34期)

■日程2014年10月11日(土) 晴れ
■山域奥多摩 日原川流域 鷹ノ巣谷
■メンバー・オーダー (計3人、敬称略)CL川名(34期)—丸山(35期)—SL土松(23期)
■行程
東日原バス停9:05—9:17鷹ノ巣谷出合9:35—11:25大滝下 11:40—12:40大滝上—13:30休憩13:40—14:00 1300m二俣14:45ー15:10登山道15:35—16:20稲村岩分岐16:35—16:55巳ノ戸橋

 10月の連休を使って2本沢に行きたいと思い、鷹ノ巣谷+巳ノ戸谷or逆川の計画を考えていたのだが、2日間連続で沢に行こうなどと思う人は自 分の他に集まらず、鷹ノ巣谷のみを遡行することになった。
 当日朝、電車に乗って奥多摩駅へ向かっている間に土松さんから電話がかかってくる。「これからバス乗るんだけど、どこにいるの?」とのこと。予 定よりも1時間も早く奥多摩駅に着いてしまっていたようだ。CLがメンバーにきちんと連絡していなかったため、1本早いバスに乗ると思ってしまっ たらしい。すみませんでした。奥多摩駅で合流後はバスで終点の東日原まで。計3本のバスが出ていたが、3連 休の初日ということもあり、最後の便でも満員状態だった。

 東日原バス停から鷹ノ巣谷出合まで進み、河原で沢装を身に着けて遡行を始める。ここしばらく雨は降っていなかったはずだが、水量は多めのよ うだ。5日も前の台風の影響が残っているのだろうか。出合からすぐに滝がでてくる。沢床は赤くヌメった石や苔に覆われたところが多く、いかに も奥多摩らしい沢である(奥多摩の沢に行くのはこれが初めてだが)。ゴム底の沢シューズで入渓するのは控えた方が良いだろう。大滝までは5m 前後の小滝がいくつかあり、どれも簡単に登れて楽しい。ワサビ田跡も多数あり。土松さんは最初にワサビ田跡を見た時、それとは気付かず「泊場 適地だなー」とか考えていたそうだ。

 ただ、大滝手前の滝(「東京周辺の沢」の2段6m、「東京起点120」の3段12m?)の最後の段でやや苦労した。水が多いため水流中は登 れず、右側のクラックにハーケンが2本あったのでここを登ることにする。最初は川名がフリーで登って後続をお助けひもで上げるつもりだったの だが、最後の一手で落ちる危険性があったので、クライムダウンしてリードで再び登った。最後は膝で乗りこんで、だましだましで何とか登る。沢 で落ちるかもと思ったのはこれが初めてで、なかなか怖かった。近場の支点は一本のハーケンしかなかったが、かなり効いていそうで真新しかった ので、これを利用。プルージックで登った土松さんも最後で苦労して、結局ゴボウで登った。ラストの丸山くんはロープで引っ張られるためか、苦 労せず登れたようだった。登攀を終えた土松さんから、セルフビレイを取っていなかったことと、支点が心配ならボディビレイにすべきと注意され る。さらに、今思うとプルージックじゃなく中間エイトノットで登ってもらえばよかった。また、この滝は左側がホールドが細かいけれど・・眦个譴・・・ぢうだったので、そちらを進んだほうが時間短縮になったと思う。

 ここからしばらく歩くと大滝に着く。大滝下で観瀑を兼ねて休憩をとった後、川名がリードをする。右側のルンゼから登り始め、巻き気味に灌木 帯の上を通って滝上の木から支点を取った。リードで登っていた川名は気付かなかったが、ルンゼの部分はガレていて落石が多く、下にいた人は結 構怖かったらしい。セカンドの土松さんが登り始めるが、ルンゼで落石を起こすのを躊躇して苦労されていた。ラストの丸山くんを上げる際には、 大滝近くのテラスで一旦エイトノットを外させて、ロープを回収した上で再びロープを落として登ってもらう、という段取りに変更する。だが、 ロープがどこかに引っかかって回収できず、土松さんにプルージックで下って引っ掛かりを取ってもらい、丸山くんを上げた。これらの不手際のた めに、3人しかいなかったにも関わらず大滝の通過に1時間もかかってしまった。後で雷鳥やwebの記録を読んでも、テラスから登るルートが正 しいようだ。このルートの場合、登り終わってすぐのところにリングボルト×2があるので、これを支点に使える。

 大滝で予想以上に時間がかかってしまい、下山時刻がほぼ日の入りと同じ位になってしまいそうだったので、ここからは急ぎ足で進んでいく。水 の戸沢・金左小屋窪分岐で水の戸沢に入った後、しばらくは2-4mの小滝が連続するが、以降の部分は今年の大雪の影響か倒木でかなり荒れてい る。その上傾斜もきつくなって沢の面白さもなくなってきたので、予定よりも早く本流を離れ、1100mで入る枝沢から登山道にエスケープする ことにする。途中一本休憩をはさみ、それらしい分岐で水をくんだ後、枝沢に入る。沢の水もなくなってしまったので、早めに尾根に詰めようとし たが、かなりザレていて登るのは非常に危険と判断。この先の谷を詰めたという記録がなく不安なので、時間が遅くなっても安全をとり、予定通り 本流を詰めることにする。気が滅入る中、分岐へと戻り左の本流を進み始めるが、眼前に尾根が迫って見えて、本流を進んでいるとしては明らかに 地形がおかしい。ここで改めて読図をし直し、最終的にはGPSの助けも借りると、既に1330mまで来ていたことがわかった。つまり、先ほど 進もうとして引・・㌍屬靴紳瑤・覆發Δ藩縦蠅靴討い紳瑤任△蝓▲┘好院璽廚箸靴胴佑・・・ていた谷はとうに過ぎていた訳である。時間に焦って進んでい て読図をほぼしていなかった上に、コースタイムの倍の速さという予想以上の健脚で進めたために、現在地を読み違えてしまった。弁解させてもら うと、この部分は水量のある枝沢が殆ど無く、読図が難しい部分でもある。

 ともあれ、再び右の沢に入って登山道へと詰める。谷沿いを進めばそれほど落石の危険はない。最後の詰めはザレで傾斜もきつくなかなか辛かっ たが、丸山くんは獣のような四足歩行で元気に登っていた。なお、この部分は以前は笹藪こぎを要したようだが、今年は笹が全て枯れており、全く 藪はなくなっていた。金左小屋窪は分からないが、水の戸沢を詰める限りでは今後しばらくはヤブの心配はしなくて良さそうである。尾根まで登り 切る直前に、1562を巻く薄い踏跡(作業道?)があったので、これを利用して登山道に出て、沢装を解除。

 鷹ノ巣山へは登らず、そのまま下山することにして単調な下りを進む。尾根を外れるところでは稲村岩へと登る道がついていて、丸山くんと登り に行こうとするが、思ったよりも遠かったので大人しく引き返して下山する。巳ノ戸沢の対岸へ降りたところから稲村岩下のごく一部が見えるが、 その部分だけでも中々のスケールである。巳ノ戸橋へ着いた時点でバスの時間まで15分ほど時間があったので、川名は入渓点で汚れた装備を洗っ てからバス停へ。出発時刻一分前のギリギリに着いたが、なんとか乗車できた。

■総評
・何度かシャワークライミングになり、その上暗い沢だったけれど、寒くはなかった。10月でも泳いだりしなければ、まだまだ沢シーズンということ なのだろう。
・1級の沢だったが、増水の影響+RFのミスでやや難しく感じた。奥多摩の葛葉川、と言われているらしいが、葛葉川ほど気軽に行ける沢ではないと 思います。大滝があるのは葛葉にはない美点ですが。
・入渓が遅かったせいか、他のパーティーには全く会わなかった。やはり逆川や水根沢の方が人気があるのだろうか?
・藪こぎがなくても、倒木も多く詰めは中々シンドい。大滝を登り終えたらそこから下降して沢下降の練習をする、という記録があるが、そちらのほう が楽しめると思う。
・結構時間のかかる沢なので、日の短い時期に初心者同伴で行くのであれば、早めの入渓をお薦めします。
・滝の登攀、読図等まだまだ未熟な部分があることを実感しました。もっと実践経験を積んで行きたいと思います。
・メンバーの間で、「なんで武甲山ハイクに14人も集まるのに、沢は3人、しかも現役生に限れば2人しか集まらないんだ!」という話が何度も出ま した。沢をやる人切実に募集中です。